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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第78章 彼方まで光を ⭐︎




ホテルの非常階段にわたしを連れてきたキャメルさん。
その場所を指さして言った。


「ここで、血を流して倒れていました。」

「…ここで…」

「おそらく、何階か上から転落したんじゃないかと。
何か思い出せますか?」

「…ううん、何も」


思えば事故にあった時の前後の話も、赤井さんから詳しく聞いていない。
ただ、組織の人間に見つかって誘拐された。とだけジョディさんから聞かされたのみだ。

ということは、このホテルに監禁されていたってこと…?


「ホテルの部屋も、見てみますか?」

「うん。お願いします」


キャメルさんの後につき、部屋に向かうときに考えていた。

この肩口の銃槍…わたしを攫ったのは、多分ジンだ。


ジンのことを頭に浮かべると、心臓が嫌な音を立て、冷や汗が流れ出す。

このホテルで、ジンに監禁されていた…?
だとしたら、どうしてわたしまだ生きてるんだろう。

その事実に違和感を覚えながら、エレベーターを降りて客室が並ぶフロアに足を踏み入れたとき、


「ちょっと待ってください!」


キャメルさんが腕を出してわたしが一歩進むのを静止した。

キャメルさんが警戒する方を見ると、そこにいたのは


「ジン…ウォッカ…」


全身黒に身を包んだ2人がちょうど部屋の突き当たりを曲がって非常階段の方へ向かうところだった。


「やはり、このホテルは目を光らせていると言うことか…ジェイムズ達に報告しなければ」


わたしの隣でキャメルさんがそう言いながらスマホを操作しているけれど、ジンの姿を見た瞬間、わたしの心臓が嫌な音を立てて鼓動し、全身が身震いするような寒気に襲われた。

彼の氷のような瞳、そして不敵に笑いながらわたしのことを見下ろす表情が頭に浮かぶ。

どうして見下ろしてるの…
わたしの上に乗って…る…?


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