【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第78章 彼方まで光を ⭐︎
それに、もう2度とあんな思いはしたく無い。
ICUの前で、いつ目を覚ますか、それともいつ心臓が止まるか、祈ることしかできないあの地獄のような時間。
サラを危険な目に合わせるぐらいなら、記憶を無くしたままでもいい。
現に、またこうして好き合えているのだから。
「でも…」
納得をしてなさそうな顔をするサラを、俺は有無を言わさず抱きしめた。
もう二度と離したくない。
俺のそばからいなくならないで欲しい。
そんな思いを重ねるように、ぎゅっと抱きしめる力を強めると、その想いが流石に伝わったらしい。
「…わかった。そんなに言うなら、行かない」
「記憶を思い出せなくても、こうして今、俺の腕の中にいてくれる。それでいいんだ」
そう言いながらベッドの上でサラをゆっくりと倒しながら、唇を重ねた。
ゆっくりと離した後、サラは俺の頬を撫でながら少し笑う。
「お酒、もうおしまい?」
「あぁ。今からはお前をいただくから」
そう言って、サラの服を脱がせながらまたあらゆるところにキスを落とし、貪るように抱いた。
余計なことを考えずに、俺のことだけ見ていて欲しかったから。
あのホテルに行くことなど、もう考えてほしくなかったから。
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