第77章 枯れない花　　☆

赤井side


サラが用意してくれた、えらく気合の入った料理をいただき、俺は先にシャワーを浴びた。

そしてシャワーから出ると、上半身裸のままリビングにやってきた俺を見て、サラが顔を真っ赤にしながら言う。


「ふ！服着てください！」


俺の裸なんて散々見慣れて…
いや、そうか。忘れてしまってるのか…

不意に切なくなる心を押し込めて、俺は言われるがままTシャツに袖を通した。

そして、いつもの癖で風呂上がりの一杯を。と、ウイスキーボトルとロックグラスを取り出した。


「あ！だめ！」

「？」

「…今日はお酒なしって言ったでしょ…？」


顔を赤くして、目を逸らしてそう言うサラ。

照れ屋のくせに大胆なことを提案してくるところは相変わらずか。


「そうだったな。
ところで、酒なしで夜更かしって何をするんだ？」

「えっ！？」


まさかそこ聞く！？と言いたげなサラだが、その反応が可愛くてつい意地悪が加速する。


「わ、わかってなかったの？！」

「？何が？
そうか、サラは体調が悪くて酒を控えたいんだな。
俺は変わらないから飲んでもいいだろ？」

「…」


わかっていないフリ　をする俺を見て、サラはだんだん拗ねた表情に変わっていく。

むー…と眉を下げ、少し口を尖らせて悲しそうな顔をした後、


「もういい。お酒飲んでいいよ。」


そう言ってしゅんと肩を下げ、シャワーへ向かおうとする。

少しやりすぎた。と思うと同時に
可愛い…と胸が軋むのは相変わらずだ。

俺はサラの腕を咄嗟に掴むと、耳元で囁いた。


「嘘だよ。ベッドで待ってる」


サラは俺を見て顔を真っ赤にした後、逃げるようにバスルームへと走って行った。

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