【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第77章 枯れない花 ☆
「何?!あの、破壊力…!!?」
バスルームにかけこんだわたしは、全裸でシャワーの前にうずくまると、搾り出すような声で悶えた。
ベッドで待ってる。って…
あんな声で耳元で言われたら腰が砕けそうなった。
わざと分からないフリしてわたしがあたふたする様子見て楽しんでたんだ…余裕すぎない?
彼を落とすつもりが、あっさりと落とされている状況に笑ってしまう。
とにかく、いつもより念入りに身体をキレイに洗い、髪もトゥルトゥルにして、今更ながらマッサージもしたりして、万全の状態でバスルームを出たわたし。
髪を乾かしてお気に入りの下着をつけると、悩みに悩んでオーバーサイズのTシャツを1枚着た状態で寝室のドアの前に立った。
緊張してドキドキとうるさい心臓を必死に抑えてドアに手をかけ、引き戸を開ける。
ガラ…
中ではベッドの上に腰掛けて、赤井さんが本を読んでいた。
伏し目がちに文字を追うその横顔に思わず見惚れているわたしに気付いた赤井さんは、本をパタリと閉じた。
そして、わたしに少しだけ笑いかけながら言う。
「おいで」
きゅん…とまた胸が狭くなり、息も上手くできずにいるわたし。
吸い寄せられるように赤井さんのところへと足を運び、赤井さんの前に立った。
「あのね…赤井さん」
「ん?」
わたし、記憶を無くしたけど
赤井さんのこと覚えてないけど
また好きになったよ?
好きになったこと、受け入れてくれる?
記憶のないわたしのことも、愛してくれる?
そう想いを伝えようとしたとき
ピリリリリ…
ピリリリリ…
ベッドサイドに置いてあった赤井さんのスマホが鳴った。
「…スマホ、鳴ってるよ?」
「いいから。何か言おうとしただろう?」
「うん。えと…」
わたしを優先してくれ、またさっきの話を切り出そうとしたけれど、鳴り響くスマホがどうにも気になるわたし。
「やっぱり、先に出て?気になっちゃうし…」
「…わかった。」
頷いてスマホの画面に目を落とした赤井さん。
表示を確認して首を傾げながら、電話に応じた。