【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第77章 枯れない花 ☆
このところずっとこう。
昨日も梓さんと一緒に働いているとき、ホットサンドメーカーに手をサンドしかけてた。
お客様へコーヒーを無事に提供し終えたあと、安室さんが心配そうな顔をして尋ねた。
「どうしたんです?ボーッとして」
「ちょっと考え事…と言うか妄想というか…」
思えばバイト中になんてこと考えてるんだと思いつつも、そりゃ考えるでしょ…!
今のわたしにとっては赤井さんとああいうことするの初めてなんだもん…
過去に同じようなことたくさん合ったのかもしれないけど。
いや、あったんだろうけど!恋人なんだし?
そう自問自答しながら心を落ち着かせていると、隣にいた安室さんが平然とわたしの心の内を見透かしてくる。
「へえ?とうとう赤井秀一に手を出されたんですね」
「な!!なんでわかるの!?」
「首の裏、赤くなってますよ」
嘘でしょ?!と慌ててコーヒーメーカーの反射を使って自分の首を確認するも、絶妙に見えない位置らしくよく分からない。
「見えないー!どこー?」
「ここです。ここ」
ポニーテールにしている首の裏、キスマークがついてる場所を指で触れてもらっていたとき
カラン
ポアロの入り口のドアベルが鳴って、そこに立っていたのは
「お…沖矢さん!」
赤井さんの仮の姿、沖矢昴がわたしと安室さんを見て目を見開きながら立っていた。
そしてその表情はだんだんと黒い笑顔に変わっていく。
「アルバイトの勤務中に人の彼女に触れるとは、なかなかいい度胸ですね。安室透くん?」
「教えてあげていたんですよ。あなたがわざわざ見えにくい位置に独占欲の印をつけたせいで彼女が困っていたので」
2人の間に火花が飛び散っているようにも見え、安室さんが赤井さんのことを大嫌いだと言っていたのはどうやら本当らしい。