【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第76章 それを愛と呼ぶなら ☆
赤井side
シャンパンをどちらが開けるか?
そんなくだらないじゃれ合いをしているとき、思った。
前のサラが戻ってきたみたいだ。と。
こんな風に、屈託のない笑顔で俺の心を溶かしながら、気付いたら俺の口角まで上げている。
取り合いのどさくさに紛れて身体が密着したとき、ふわっと香るサラの匂い。
同じシャンプーを使っているのに、どうしてか俺より甘い匂いがする。
あぁ、好きだ。この匂い。
呑気にそう思っていたとき、勢いよくシャンパンの栓が飛び、中身がシャワーのように俺たちにふりかかる。
髪、顔、首元、胸元まで盛大に濡れた自身の身体。
最悪なことにソファーまで濡れている。
ため息を吐きながら邪魔な髪をかきあげ、ふと前を見ると同じようにサラも頭からシャンパンをかぶったようだ。
髪、顔、首元と俺と同じ濡れ方をしているな…と上から眺めていくとたどり着いた胸元。
着ていた部屋着のTシャツがシャンパンに濡れて透けて、下着のラインが浮き出ている。
脱がせたい…
そう思ったのを悟られてはいけない。と、胸元からサラの顔に視線を移すと、丸い瞳と目が合った。
サラは顔を赤くして、視線を逸らしながら照れたように笑って言った。
「…ふ。びしょびしょだね…」
「お前もな…」
可愛いがすぎるんだよ…その反応。
心の中でそう唸りながら、俺はサラの頬に手を伸ばした。
そしてもう一度サラの瞳を覗くと、サラも顔を熱らせて俺を見つめ返した。
そんな顔をされて平気なほど、俺は我慢強くない。
気付いたら、サラの唇に自分の唇を重ねていた。
1度目は、重ねるだけのキス。
ゆっくり離してサラを見ると、俺を見つめながら言う。
「一回だけ…?」
「100回したい」