【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第76章 それを愛と呼ぶなら ☆
赤井side
打ち合わせが終わり、工藤邸から帰宅する時間になった。
「では有希子さん、また明日伺います」
「はーい。あ、秀ちゃんちょっと!」
「?」
ジョディ、キャメルと共に工藤邸の裏口から失礼しようとしたとき、有希子さんが俺だけを呼び止めて手招きをした。
2人が先に家を出たのを確認すると、有希子さんが眉を吊り上げながら俺に説教を始める。
「もう!サラちゃんのことちゃんと構ってあげなきゃダメじゃない」
「?話が見えませんが…」
「あれ?秀ちゃんがそっけなくしたからでしょ?サラちゃん、帰るときテンション下げーって感じだったの!」
「…?サラ?」
有希子さんが何の話をしているのか少しも見当がつかない俺がさらに首を傾げると、有希子さんは目を丸くしながら言う。
「サラちゃん、さっき2階にコーヒーを持って行ったでしょ?」
「コーヒーを持ってきたのはキャメルですが…」
「ええ!?変ねえ。」
「サラ、この家に来たんですか?」
「ええ。チーズケーキを焼いたから取りに寄ってねって呼んだのよ。
それで、秀ちゃん上にいるからコーヒー持って行くついでに顔見てきたら?って言ったら、嬉しそうに上がって行ったわよ?
その後、すぐに降りてきて浮かない顔して帰ってったから、てっきり仕事モードの秀ちゃんに塩対応されちゃったのかと」
…どういうことだ。
サラが一度上に来たのに、コーヒーをキャメルに託して帰った…?
その答えは少し考えるとピンと来た。