【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第76章 それを愛と呼ぶなら ☆
赤井side
工藤邸。
例によってFBIの面々が打ち合わせをするため、夕方に落ち合うことになっている。
沖矢昴の変装を既に解いている俺は、自室のPCを操作しながら、ジェイムズ達が来るのを待っていた。
打ち合わせが終われば、サラが待つ家に帰る。
あの観覧車でも、俺のことを思い出してはくれなかった。
仕方がないことなのに、あんなふうに目の前で泣き顔を見せられてプレッシャーになっていないといいが…
そのとき、ドアをノックする音がした。
コンコン
「はい」
「ハーイ。あら、私が一番乗りね」
「そのようだな」
入ってきたのはジョディ。
いつもキャメルと行動を共にしていることが多いが、今日は1人で先に到着したらしい。
俺はデスクから立ち上がりながら言う。
「コーヒーでも飲むか」
「あぁ、それならさっき下で有希子さんに挨拶した時に持ってきてくれるって言ってたわ」
「そうか」
じゃあ、引き続き他のメンバーが来るのを待つか。
と、ソファーに腰掛けた俺。
その隣にジョディも腰掛けて口を開いた。
「ねえ、秀。
サラちゃんの様子はどう?
何か思い出せそう?」
「今のところは望み薄だな。」
思い出の場所に連れて行っても思い出してもらえないんだ。
お手上げ状態に近い俺は、参った。という風に笑って見せた。
「…このまま、思い出せなかったら?」
「考えたくはないがな」
そう言った俺の手を、ジョディが握った。