• テキストサイズ

【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第75章 オレンジ




「久しぶりだな。お前のハンバーグ」

「そう…なの?」


わたし、過去に何度か赤井さんにハンバーグを作ったことがあるんだ…
過去に作った時は美味しく出来た?
それとも、今みたいに黒焦げだった?
それすら、わたしは思い出せない。


「これ、食べられないから捨てるね?
今からお惣菜買ってくる…」


そう言いながら捨てようとしたわたしの手を、赤井さんが握って止めた。


「捨てなくていい。食べるから」

「でも…」

「腹が減っているから、何でも美味い」

「それ、無理して食べるってことじゃない!」

「冗談だ。お前の作るものなら、何でも美味い」


赤井さんは優しく微笑みながら、捨てようとしたお皿を奪い返すと、食卓へと運んで行った。

きっと過去もこんなふうに、黒焦げになったハンバーグを食べてくれたんだろう。

覚えていなくても、わかる。
赤井さんは、ああ見えて実は底無しに優しいから。

彼の後ろ姿を見て思った。

その優しさは、わたしだけ特別なものなの?

わたしだけ特別って思っても良いの?





/ 1733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp