【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第75章 オレンジ
赤井side
あれから数日経ってもサラの記憶は戻らない。
が、病院で目覚めてすぐの時よりもかなり心を開いてくれていると感じる。
ベッドで一緒に晩酌をして、そのまま寝落ちする愛しい女。
もっと危機感を持てよ…
お前のこと、好きで好きでたまらない男が隣にいるんだ。
襲われたって文句は言えないからな。
そう思いながらも、毎晩寝落ちしたサラにブランケットをかけて俺はベッドを降りる。
一緒のベッドで眠ってしまうと、それこそ自分を抑えきれなくなると思うからだ。
「昴くん」
「…」
「昴くん!」
ボーッとサラに思いを馳せながらビーフシチューをかき混ぜていると、隣から阿笠博士が俺の偽名を呼んだ。
「はい?なんでしょう」
「何でしょうって…もうそろそろ良い具合じゃよ。それ以上煮込むと柔らかくなりすぎないかの?」
「あ…あぁ。そうですね。
では、お皿に盛り付けていただきましょう」
そう言いながら、俺は7つのお皿にビーフシチューを盛り付けた。