【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第74章 届かないから
赤井side
翌日、サラをポアロに送り出した後、俺は打ち合わせのためにFBIの面々と工藤邸で顔を合わせていた。
「今日はサラさんの警護はいいんですか?」
「あぁ。今日はあの安室くんと一緒のシフトだということで、癪だが彼に任せることにした。」
安室くんへはボウヤ経由で連絡を取り、ポアロから自宅への送迎もお願いしている。
間に挟まれたボウヤは 面倒だから直接やり取りしてよ と迷惑そうに言っていたが、俺たちの溝はまだまだ埋まる気配は無いらしい。
そうこうしているうちに、ジョディがコーヒーを人数分用意してテーブルの上に置き、会議がスタートした。
あの日、キャメルが張り込みサラが怪我をしたホテルだが、防犯カメラの映像は何者かにすり替えられており、サラに何があったか分からず終い。
だが、俺はおおよそ見当がついている。
おそらく、サラを拉致したのはジン。
サラの右肩には銃で撃たれた新しい傷があった。
サラと、出会った時に携えていた傷と同じ場所に。
ジンと何かあったんだ。
記憶を無くしたのも、おそらくそれが原因だ。
「それで、サラさんの記憶は…」
「あぁ、まだ俺のことは思い出す気配はないな」
「そうですか…」
「じゃあ、しばらくはまだソファーで寝る生活なのね」
身体、壊さないようにね。と労るジョディに、俺はつい口を滑らせた。