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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第74章 届かないから




赤井side


「赤井さんの腕の中、落ち着く…
いい匂いがする」


そう溢した数分後、俺の腕の中からサラの寝息が聞こえて来た。

記憶の奥底に眠る俺との思い出が匂いでほんの少しだけ蘇ったんだろうか。


「そのまま、全部思い出してくれてよかったんだがな…」


独り言をこぼしながら、腕の中のサラを抱きしめてみる。
サラは起きる気配はなく、スースーと一定のリズムで寝息を奏でて、顔を見ると気持ちよさそうに寝入っている。


「無防備なお前が悪い」


俺はその言葉を盾に、眠るサラの唇にゆっくりと自分の唇を重ねた。


自制が効かない俺のキスは、ちゅ…と音を立ててサラの唇から離れた。
けれどそれだけでは到底足りず、また唇を奪う。


「サラ…好きだ」


ちゅ…っ…


「…っ…好きだ」


好きだと言いながらキスを繰り返す俺。
起きるなよ…と思うと同時に、起きて全部思い出してしまえよ…と願う気持ち。

無断でキスをするたび、サラを好きだと言う届かない思いが膨らむ一方だった。


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