【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第74章 届かないから
わたしのこの意味不明なお願いを聞いて、案の定赤井さんは意味がわからない。と首を傾げた。
「眠れなくなったので一緒にベッドで?」
「っ…だって…1人で眠るの怖くて」
いよいよ誤魔化しが効かなくなり、小さい小さい声で本音を言ったわたしを見て、赤井さんは少しだけ笑った。
「お前は、変わらず本当に可愛いな」
「かわっ…かわいい!?」
サラッとそう言うこと言うのこの人!?
「ほら、寝るんだろ?」
可愛いという甘い褒め言葉の破壊力に慌てふためくわたしの手を取り、赤井さんは寝室のベッドへとわたしを誘う。
あ…待って…
これ、もしかしてわたしから誘ったみたいになってる?
鈍感なわたしがそう気付いたのはすでに2人でベッドに寝転がった後だった。
「ま、待って!」
「?」
「一緒に寝てくださいって言ったのは、そう言う意味じゃなくて…」
「そう言う意味とは?」
「だ、だからその…抱いて欲しいって意味じゃなくて」
一応そう弁明しておくと、赤井さんは少し意地悪な顔で笑って言う。
「ホォー。では、どう意味だったんだ?」
「そばに、添い寝をして欲しくて…」
「添い寝、か」
「そう、添い寝」
「わかった。」
頷いた赤井さんは、突然ベッドの中でわたしを抱きしめた。
ぎゅ…と優しく抱きしめられたわたしは、また心臓がうるさく響く。
たくましい胸板からじんわり伝わる体温に思考回路が溶けそうだ。
「ちょ…添い寝って…」
「俺の添い寝はこれだ」
そう言われてまた抱きしめる力を強くされると、わたしの身体からは不思議と力がフッと抜けた。
「…どうしてだろう」
「?」
「赤井さんの腕の中、落ち着く…
いい匂いがする」
ドキドキしてるのに、妙に心地いいこの感じ。
どうしてだろう…明日も明後日も、赤井さんの腕の中で眠りたい。
そんなふうに思ってしまう自分がいた。
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