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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第74章 届かないから




夕食を終え、満腹になったお腹をさすりながらリビングスペースのソファに腰を下ろした。

もう少しゴロゴロしたらお風呂に入ろっと…
と、くつろぎながら一息ついているわたしの隣に赤井さんが腰を下ろした。

一つのソファーの隣同士は、思ってる以上に距離が近くて、わたしの膝が赤井さんの腕に当たるぐらい。

緊張して、ソワソワするわたしは徐々にソファーの端へ端へと離れようとする。

そのとき、何気なくつけていたテレビ番組が20時で別の番組に切り替わり、あろうことか「ホラー映画名作集」というタイトルがデカデカと表示された。


「うわ。チャンネル…」


ホラーが大の苦手なわたしは即座にチャンネルを変えようと辺りを見渡す。
と、ダイニングテーブルの上にチャンネルを発見した。

それを取りに行くために立ち上がった時、赤井さんが首を傾げた。


「どうした?」

「あ、チャンネルを変えようと思って」

「…あぁ。相変わらず怖いのが苦手なんだな。」


まただ。
相変わらずって、わたしのこと良く知ってるみたいな言い方。
わたしはあなたのこと覚えていないのに。
自分ばかり知られているのが、なんとなく不公平だとすら思ってしまう。


「べ、別に苦手じゃないですよ?好きじゃないだけ」

「じゃあ、俺はこれが見たい」


い、いじわるだ!
わたしがホラー映画苦手だって、きっと知ってるくせに…!!

強がったのは自分の癖に、心の中で八つ当たりしたわたし。
負けず嫌いが仇となり、すとんとまた着席したわたしはそのまま1時間に渡りホラー映画の特集番組を見ることになった。

特集だけあって、内容は怖いシーンの詰め合わせ。
つまり1時間ずっと怖いシーンを見ることになる。

ビクッと身体を震わせると、隣にいた赤井さんがわたしを覗き込んで意地悪に笑う。


「怖いか?」

「っ!怖くない!」


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