【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第74章 届かないから
その日はポアロのバイトから帰ると、すでに帰宅していた赤井さんが夕食の準備もしてくれていた。
朝食同様、その用意された食事をマヌケな顔して頬張るわたし。
FBI捜査官で容姿端麗、さらには料理も出来るこの完璧人間がわたしの恋人って本当に?
何かの間違いじゃない?
「…口に合わなかったか?」
「えっ!?」
「いや、手が止まっていたから」
「あ!違うの!すごく美味しいよ?
赤井さん何でもできるんだなーと思って」
さすがに明日はわたしが作ろう…作ってもらってばかりじゃ申し訳ない。
そう思いながらまた料理を口に運んだ時、赤井さんの手がわたしの顔の方へ伸びて来た。
「?!」
なに?!と目を丸くして固まるわたしの口元を指で拭った赤井さん。
「な、何ですか!」
「ソース、ついていたから」
「っ…それなら、言ってくれたら自分で拭くのに」
「あぁ。いつもの癖で。すまない」
わたしが戸惑いながら少し怒ると、赤井さんはほんの少し眉を下げてしょんぼりしたように見えた。
そんな顔しないで…
あなたのことを忘れてしまったことの罪悪感がまた一つ降り積もっていく。
あれ…この心臓がぎゅーってなってるのって、罪悪感…だよね?
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