【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第9章 本能☆
赤井さんの部屋をノックしてドアを開けると、ベッドの上で本を読んでいた。
「赤井さん」
「…」
本を読むのに集中している赤井さんは一度声かけただけじゃ気づかない。
「赤井さん!」
「?!」
本を取り上げて、もう一度大きな声で名前を呼ぶと、赤井さんはまた驚いた様子でこちらをみた。
やっぱり様子がおかしい。
そう思いながらも、ドライヤーを渡す。
「髪、ちゃんと乾かさないと風邪ひくよ」
「あ、あぁ。」
「あ!わたしが乾かしてあげる!」
そう言ってベッドの近くのコンセントにプラグを刺し、赤井さんの後ろに回ってドライヤーをオンにして赤井さんの髪に指を通した。
少しだけ癖のある髪に触れると、この髪に触れられる女の子は特別って感じがして思わず顔が綻んだ。
短い髪は数分ドライヤーを当てるとすぐに乾いた。
「やっぱり短いと速いね」
「前は長髪だったから、乾かすのに苦労していた」
「え!そうなの?何で切っちゃったの?」
気軽にそんなことを聞いて、赤井さんの回答に少し間が空いてしまうと、何となく察してしまった。
宮野明美さんが関係してるんだ…。
自分の勘の良さが時々嫌になる。
「まぁ、一種のゲン直しだ。…次はお前の番だな」
赤井さんはそれ以上聞かれるのを上手くかわして、わたしからドライヤーを取り上げると、後ろにいたわたしの手を引き、自分の脚の間にわたしを座らせた。