第9章 本能☆

ちゃぷ…とお風呂のお湯を掻き集めながら、なぜ赤井さんの挙動がおかしいのか考えていた。

ミステリートレインで何かあった…？

まさか、宮野明美さんが実は生きてたとか…さすがにないか。
有希子さんと何かあったとか…いや、絶対ない。
うーん…

あらゆる可能性を考えてみたが、これといったものは思い浮かばず、わたしは考えるのを諦めてバスルームを出た。


髪を乾かそうとドライヤーに触れた時、ドライヤーがまだ冷たい。
さっき赤井さんお風呂上がりだったのに、使わなかったのかな…？

さすがにわたしが乾かす前に、赤井さんに使ってもらった方がよいと、さっき赤井さんがいたキッチンに向かうが姿が見えない。


「あれぇー？」


机の上に置いてあったオムライスは、いつのまにか食器ごと無くなっていた。

まさか…ものすっっっごく不味かったんじゃ…
ありうる。だからお腹壊したとか…？

これが一番可能性が高いと思っていると、食べた後の食器がシンクにないことに気づき、冷蔵庫を開けるとラップをしたまま手付かずで冷蔵庫に入っていた。

あれぇ。食べていないってことはこの説も違うか…
いよいよ本当にわからない。


わたしはドライヤーを片手に、赤井さんを探して2階に上がった。