【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第73章 アイラブユーを探してる
ドラマを見終えたわたしは、お風呂でシャワーを頭から浴びていた。
「あー…気持ちいいー!」
入院中は個室にシャワーがついていたけれど、アメニティは病院仕様。
久しぶりに自分のお気に入りのシャンプーで髪を洗う至福の時間だ。
それにしても、赤井さんの彼女ってどんな人なんだろ…
正直、カタブツそうだなーと思ってたからあんな風に彼女のこと話すのって意外だったな。
そう思うと同時に感じる、胸の奥の違和感。
なんだろう。胸の奥が痛い気がする。
物理的に痛むわけじゃない、何というか…胸がギュッと締め付けられるような感覚。
わたし、ここに帰ってきてから変だ。
もっと言うと、目を覚ましてから変。
結局、怪我した時の状況は一向に思い出せないし…
そう思いながら、脱衣所のドアノブに手をかけたとき、ふと頭によぎった。
「ん…?そう言えば、今日わたしベッドで寝ていいんだよね?」
赤井さんはどこで寝るつもりなんだろう。
あの身長でソファーはキツいよね…?
同じベッドで一緒に寝るかんじ?
ゲイだからいいのか?いやよくなくない?
あれ?さっきの恋人の話、男…だよね?
女の子の話してるのかと思っちゃったけどゲイだもんね…?
と、頭の中がプチ混乱しながら寝室のドアを開けると赤井さんが新しい寝具を使ってベッドメイキングをしていたところだった。
「やっぱり一緒に寝るつもりなの!?」
「…何の話だ」
「だ、だって」
「疲れているだろう。
すぐに眠れるように、寝具を整えていただけだ。
俺はソファーで寝る」
そう言う赤井さんは、ベッドの寝具を季節に合わせて変えてくれていたみたいだ。
けど、ちょっと待って。
「どうして、寝具をしまっている場所、知ってるの?」
「…」
答えない赤井さんと沈黙が続いた時、不意にチェストの上に置いてある写真が目に入った。
「これ…わたしと赤井さん?!」
当たり前のようにわたしの部屋に飾られていたその写真の中に写っていたのは、わたしと赤井さん。
紛れもなく、わたしたちだった。
しかも、写真に映る2人は肩と肩をくっつけて、親密そうな空気が見てとれる。