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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第73章 アイラブユーを探してる




なぜ?
今日初めて会ったはずの赤井さんとわたしが?

その時、この間から感じていた違和感が一つの線に繋がった気がした。


「赤井さん。」

「どうした。」

「わたしと赤井さんって、もしかして初めましてじゃなかったの?」

「…」



赤井さんは、イエスもノーも言わない。
だけどもしそうなら、時折見せる赤井さんの寂しげな表情も頷ける。

知り合いのはずなのに、わたしが忘れてたからだ。

そして、寝具の場所を知っていたこと、コーヒーを淹れる時も妙にスムーズだったこと、歯ブラシが2本並んでいたこと。
つまり…


「ここに、一緒に住んでたの?」


それしか考えられない。
真っ直ぐに目を見て尋ねると、赤井さんは少し考えた後静かに首を縦に動かした。


「…あぁ」

「それって…まるで」


一緒に住んでたって、まるで恋人同士だ
そこまで言おうとしたわたしの言葉を遮るかのように、赤井さんが続けて言った。


「俺たちがどういう関係だったのか、俺から話すのは容易い。
けれど、俺から話して仕舞えば2度と以前のお前に戻らない気がしてるんだ。
お前が自分の力で思い出さなければ意味がない」


そう言われ、目を閉じて必死に自分の記憶を辿った。
だけどどうしても、赤井さんと言う存在が、怪我をする前の記憶に見つからない。


「…思い出せない。」


だって恋人って…
つまりわたしはこの人と手を繋いだり、キスしたり、それ以上のことしたり…してたってこと?

それを何一つ思い出せないなんて…

ひたすらに困惑するわたしに、赤井さんはわたしの頬に手を寄せながら静かに言った。


「思い出せるまで、俺はお前のそばにいる。
思い出した後もずっと、そばにいる」


ワイルドな風貌には似合わない甘い言葉。
そんな甘い言葉に、わたしの心臓は無意識にドクンと鼓動した。

わたしの記憶にはいない、わたしの恋人との同棲生活がまた始まろうとしていた…


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