第73章 アイラブユーを探してる

そう答えた俺を、サラはほんの少しだけ呆れたような顔をしながら言った。


「その人のこと、大好きなんですね…赤井さん…」

「どうしてわかる？」

「わかりますよー！だって、どんな人？って聞いて、その人の好きなところたくさん並べるんだもん」


あぁ。好きだよ。
お前のことだ。馬鹿…

心の中でそう言って胸が苦しくなった。


「怒んないの？別の人と一緒に住むことになって」

「怒るかもな。あいつはよく嫉妬するから」


そう言いながら、俺はついサラの頭をぽんぽんと撫でた。
完全に無意識だったそれを、今のサラは困ったように俺の手を避ける。


「だめですよ。恋人がいるのに他の人の髪撫でちゃ」


お前なんだよ…その彼女は。
そう言いたい。

俺たちは恋人で、将来の約束もしていて、
共にあの組織を壊滅させようとする運命共同体。

俺はお前が無くてはならず、お前も俺を必要としてくれていた。

全部、教えてやりたい。

けれどそれじゃあ意味がないんだ。
お前が自力で俺を思い出してくれないと、何の意味もないんだ…


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