【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第9章 本能☆
赤井side
挙動不審すぎて、おそらくサラはだいぶ不審に思っただろう。
サラに後ろから抱きつかれた時、俺の脳内は絶賛、安室くんとサラのセックスシーンで埋め尽くされていた。
何度も忘れようとしたが一度想像してしまったが最後、気を紛らわせようとしてもふとした瞬間にぽわんと浮かんでしまう。
そもそも、不可抗力の夢だとしても、そういう内容を見るってことは少なからず、安室くんとそうなりたいと言う願望があるのか?
そんなくだらない疑いまで持ってしまい、俺は思わずサラを避けるような態度をとってしまった。
サラはしゅんとして、バスルームにとぼとぼ歩いて行く。
俺は何をやっているんだ。
何事にも冷静沈着、適切な判断力で仕事をしてきたFBI屈指の切れモノと言われた俺は、サラの前では無力らしい。
サラが風呂から上がったらちゃんと抱きしめてやろう。
それで、髪を撫でて、キスをして、手を握って、サラを抱き上げてベッドまで運んで…
そこまで考えた時、また安室くんが脳内に出てくる。
思わず、パンっと自分の頬を叩き、長いため息を吐いた。
「駄目だ…クソ…」
こうなったら、難解な推理小説でも読んで気を紛らせるしかない。
そう思った俺は、図書室から一番分厚くて一番難しそうな本を選び、自分の部屋に向かった。