【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第73章 アイラブユーを探してる
サラ side
目が覚めて一番初めに飛び込んできた顔は、見慣れない顔だった。
ぼんやりとした視界が開けた先にいたのは、翡翠色をした瞳に特徴的な目。
綺麗な顔立ちをした男性。
知らない人なのに、何故か少しだけ懐かしい感じがした。
どうしてだろう?
隣に視線を移すと、ジョディさん、キャメルさん、ジェイムズさん。
それにコナンくんもいた。
そして最後にもう一度、さっきの男性の顔を眺めてみる。
うん…やっぱり知らない人だ。
そう思って、はじめまして。と挨拶をしたわたしに、その人は何故かとても絶望したような表情を見せた。
すぐにジョディさんが医者を呼びに走ったことで、あぁここはどこかの病院で、身体が思うように動かないのは怪我をしているからだと悟った。
けれど、どうして怪我をしたのか全く思い出せない。
いろんな検査をして病室に戻ったわたしに、ジョディさんが教えてくれたのは、あるホテルの非常階段から落ちて頭を強く打ったんだということ。
退院した後、心療内科に通院する必要があるとのこと。
何の自覚もないわたしは、目覚めてすぐに何故か周りがあたふたしている。と、どこか他人事な感じで、自分が大変な怪我を負った自覚もあまりなかった。
不思議なことと言えば、事故に遭ったあの日わたしが身につけていたものを後から返されたのだけど
バスローブに指輪、それとショーツのみ
どうしてこんな格好で非常階段から足を滑らせたんだろう…
それに、この指輪…
それを手に取ると、無意識に右手の薬指につけたわたし。
何となく、ずっとつけていたお守りのような気持ちがして、それをはめると安心した。