【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第73章 アイラブユーを探してる
それから1日が過ぎた今、身体の痛みも昨日よりマシになって、ますます夢みたいな気分になる。
そんなとき
コンコン
誰かがドアをノックする音がした。
「はいー?」
返事の後、ガラッと扉が開いてそこに立っていたのは
「…またりんご食べに来たんですか?」
「よく分かったな」
とぼけた顔をして冗談か本気なのかわからないことを言いながら部屋に入ってくるのは、昨日わたしの目の前でリンゴを剥いて、全部1人で食べて帰った赤井秀一。さん。
カタン…とパイプ椅子の音を鳴らし、またナイフを器用に使ってリンゴの皮を剥きはじめた。
「家で食べればいいでしょ?リンゴ」
「1人で食べるより、誰かと食べた方が甘い」
「…変な人。味なんて変わらないですよ」
ある意味で日本語の通じないこの人に、むーと口を尖らせていると、彼はわたしを見て笑った。
何故か、悲しそうな笑顔で。
皮を剥き終わったリンゴを、赤井さんはまた1人で食べ始めた。
変な人。
ほんとにリンゴ食べに来てるの?
そう思っていると、赤井さんがわたしの指にはめている指輪を見て目を丸くした。
「それ…」
「え?…あぁ。何となく、この指に毎日つけていた気がして」
「誰からもらったものだ?」
「…誰からだっけ…自分で買ったのかな…」