第73章 アイラブユーを探してる

今後の通院の説明を終え、部屋を出てすぐジョディが静かに口を開いた。


「秀…こう言ってはなんだけど、退院してから元の家であなたと暮らすのは難しいんじゃない？」

「…」

「秀はしばらく工藤邸で寝泊まりを…

「いや。以前と変わらず、俺はサラと暮らすつもりだ」


ジョディのその提案に被せるような形で、俺はキッパリとそう言い切る。
そんな俺にジョディは心配と叱責が混ざったような口調で反論した。


「でも、サラちゃんは秀のこと忘れてるのよ？！
退院してすぐに知らない男と同棲するなんて、混乱するわよ」

「それでも！あいつは俺の恋人だ」

「秀…」

「心配ない。すぐに思い出してくれるさ」


無理に笑って大丈夫だと言う俺を見て、キャメルが心底心配そうな、哀れむような、そんな顔して俯いた。

きっと今の俺の表情は、宮野明美の死でキャメルから謝罪された時に見せた物と同じなんだと思う。

言い出したら聞かない俺だと言うことは、ジョディもよく知っている。
それ以上は何も言わずに、俺たちは揃ってサラの病室へと戻った。

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