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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第73章 アイラブユーを探してる




サラは俺の顔を、その丸い目でじっと見つめたあと、恐る恐る口を開く。

そして、俺が今抱いた淡い期待をあっさりと打ち砕いてきた。


「…秀…って、ジョディさんが呼んでいました」

「会ったことは?」

「今日、初めてお会いしました」


やはり、俺のことだけわからないらしい。
これは夢か、現実か。
悪い冗談だと言ってくれ。

凍るその場の空気を切り裂くかのように、医師がカルテに症状を書き込みながら隣にいた看護師に指示をした。


「CT取るぞ。準備して」

「はい!…こちらへどうぞ」


頭の検査をするために、サラは看護師に連れられて病室を出て行った。

病室にそのまま残された俺とジョディ、そしてキャメル。

ただならぬ空気が漂い、半分放心状態の俺に、2人が恐る恐る声をかけてきた。


「き、、きっと、大丈夫よ。
目が覚めたばかりでただ混乱してるだけ」

「そ、そうですよ。
赤井さんのことだけ忘れるなんてそんな…」


そう。俺だってまだ信じていなかった。
サラが俺のことだけ忘れてしまったなんて、きっと何かの間違いだ。

タチの悪い冗談だ。夢だ、幻だ。

けれどどんなに頭で嘘だと思おうとしても、握りしめた俺の拳は震えていた。

サラに存在を忘れられたという事実が急に身体の中に入ってきて、俺は息も上手くできなかった。




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