【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第73章 アイラブユーを探してる
「はじめまして」
俺の最愛の女は、俺の顔を見て戸惑った表情でこう言った。
俺のことだけ忘れてしまったらしいサラを見て、ジョディは慌てて主治医を呼びに走っていく。
この状況を理解しておらず首を傾げるサラを、俺はただ目を見開いて眺めることしか出来なかった。
そして、ジョディに連れられてすぐに駆けつけた藍沢医師が、サラの診察を始める。
「このペンライトの光を、目で追って」
そう言われると、サラはペンライトの光を問題なく追視し、
「これは、何本ですか?」
と、三本指を立てながら尋ねられると、3本です。とこれも正しく答えた。
医師の診察は続く。
「ここは何処かわかりますか?」
「…どこかの、病院?」
「なぜ、あなたはここにいるのかわかりますか?」
「…いえ…覚えていません」
どうやら俺という存在の他に、ホテルの非常階段から転落して生死を彷徨ったという事実も一切覚えていないらしい。
「今ここにいる人間の中に、知っている人はいますか?」
「はい」
「この人は知っていますか?」
そう言ってジョディを指さして尋ねる医師に、サラは一瞬も迷わずに答えた。
「ジョディさん。
FBI捜査官の…」
「この人は?」
「キャメルさん。同じく捜査官」
「この子は?」
「コナンくん。わたしがアルバイトしているポアロの真上に住んでる」
そう。その他はきちんと覚えている。
関係性まで間違いなく答えているその様子を見て、俺は「もしかすると、先ほどは気が動転していたせいで俺がわからなかっただけかもしれない」そう思った。
きっとジョディもキャメルも同じくそう思っていたことだろう。
「では、この人は?」
医師が、その答え合わせをするかのように俺を指さしてサラに尋ねた。