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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第71章 GIN




行為の後、気絶したジェーンをベッドに運び、俺はホテルの部屋のドアに手をかけた。

そして部屋を出る前、ふとベッドの方に目を向ける。


暗闇を生きている人間とは思えないほど、あどけない寝顔。
それを一度眺めて、俺は静かにホテルの部屋を出た。

それから、ジェーンと何度も肌を合わせた。

土曜日の21時、いつものホテルのバー。
約束などしていないが、その時間には決まって2人ともそのバーにいた。

そして何も言わず、ホテルの同じ部屋で、ただ互いの快感を求め合う行為をする。

そして、行為が終わると眠るジェーンを残して俺は朝が来ないうちにいなくなる。

そんなことを繰り返していたある日
いつものように土曜日の21時に、あのホテルのバーに入るがジェーンの姿はない。

そして代わりにいたのがベルモットだ。



「…ベルモット」

「あら?誰か探してるの?」

「…いや?」

「ジェーンなら、バーボンが仕事を頼んでるから今日はここへは来ないわよ」


俺の思考を見透かしたかのように微笑みながら、ベルモットはマティーニに口をつけた。


「ジェーンに会いにきたわけじゃない。」


そう言い切る俺に、ベルモットは腕を掴んでギュッと寄り添いながら、俺の目を挑発的に見た。


「ねぇ、じゃあ今から部屋へ連れて行って?」

「…あぁ」


別に、俺は自分の欲望を満たせればそれでいい。
相手がジェーンだろうが、ベルモットだろうが関係ない。

それを、自分自身に証明したかったのかも知れない。

ベルモットを部屋まで連れて行き、同じように部屋を入ってすぐに口づけをして、ベルモットの服の下から身体に触れた。


けれど、俺の身体は触れれば触れるほど、使い物にならなくなる。

何だこれは…
戸惑いを顔に出さないように、俺はベルモットから身体を離した。


「ジン?」

「…気分が変わった。」

「え…何?ここまで来ておいて?」

「失せろ」


そう言うと、ベルモットは相当怒りながら俺にビンタを食らわすと、乱れたドレスを直しながら足早に部屋を出て行った。






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