第71章 GIN

俺は観念して、思わずその少女に尋ねた。


「名前は？」

「サラ！お兄ちゃんの名前は？」

「…俺の名前は…」


ジン


そう言おうとした時、その子は公園に設置されている時計を見ると声を上げた。


「あー！！もう帰らなきゃ！！
わたしね、明日誕生日なの！
だから今日は早く帰って1日早いお祝いなんだ！」


そう言いながらベンチから降りたサラ
空いたベンチの片側が何故か無性に広く感じた。


「じゃあまたね！ヒーローのお兄ちゃん！！」



またね

など、無いだろ…


そう思ったけれど、「また」は思いもよらないタイミングでやってきた。

しかもそれは、思った以上にはやく


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