【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第9章 本能☆
「それにしても、すごい見た目ね」
オムライスのようなそれを見ながら有希子さんは驚いたように言う。
「これでも上達しているんですよ。
前は炭みたいなハンバーグを作っていましたから」
そう言うと、有希子さんはまたニヤッと笑って
「本当に、ラブねぇ〜。
でも、せっかくだし、帰る前にいただいていくわ」
そう言ってテーブルに座ってスプーンでオムライスを口に運んだ。
俺はそのまま、眠るサラを自分の部屋のベッドに運んだ。
ベッドに下ろすと、サラはむにゃむにゃと寝言を言っている。
「きりんが…きりんがせまってくる…むにゃ」
「どんな夢を見ているんだ」
全く夢の内容を予想できないような寝言に、俺は思わず寝ているサラにツッコミを入れる。
愛しくてサラの髪を撫でると、次に言った寝言が俺の心を掻き乱す。
「あむろさん…おなかいっぱいだよ…ふふ」
わかっている。
ただの夢で、なんなら何の取り留めのない内容の夢だとわかっている。
安室くんの名前が出たのもただの偶然だ。
そう思うのに、サラの口から他の男の名前が出てくると途端に不機嫌になる。
「あむろさぁんー むにゃ…こんなおっきいの…口に入らないよお…」
「本当に、何の夢を見ているんだ」
さっきとはまるで違う意味で、素で声に出して言ってしまう。
そして、無意識に安室くんのアレをサラが咥えているところを想像してしまい、思わずそれを掻き消すようにガンッと近くにあった机を殴る。
落ち着け。ただの夢だ。
夢の中に安室くんが出てくるのは許せないが、それでも怒り狂う場面じゃない。