【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第9章 本能☆
赤井side
ミステリートレインの一件は、またしてもあのボウヤの読み通り、全て予定通りに事が済んだ。
俺が死んだことも、彼女の妹、シェリーが死んだことも、どちらも上手く組織への情報操作が成功した。
サラは大人しく家にいるだろうか。
バーボンは列車に一緒に乗っていたからちょっかいは出せないし、一旦は大丈夫か。
仕事が終わってすぐ、サラのことを考えるとは、俺とした事が相当平和ボケしてしまっているらしい。
帰る途中、コンビニでサラの好きなシャーベットと、ハニーレモンソーダを買うと、有希子さんがまたニヤニヤしながら言った。
「気が効くのねー。優作も見習って欲しいわ〜」
そんなこと言って、自分も夫にぞっこんなくせに。
と、思ったが、言葉にするとまたややこしそうなので、胸の内にしまった。
そうしているうちに、無事工藤邸に着いた。
隣を見ると、阿笠博士の家のライトが付いている。
どうやら彼女も無事帰って来れたらしい。
ほっと安心して家の中にはいる。
「サラちゃーん!ただいま」
有希子さんが上機嫌に家の中に呼びかけるが、返事がない。
「あら?いないのかしら。」
俺は一瞬で嫌な予感がよぎり、慌ててリビングへと脚を踏み入れた。
まさか…奴らに?!
そう思ったのも束の間、リビングのソファーの上で丸まって眠るサラを見つけた。
すやすやと身体を丸めて寝る姿がまるで子猫みたいで、俺は思わず顔が綻んだ。
「この子、ほんとよく寝るわねぇ」
有希子さんが呆れたように言う隣で、俺はベッドに運んでやろうと、サラをひょいと抱き上げた。
「あらやだ。
わたしなんかお邪魔みたいだし、飛行機の便一本はやめて帰るわ〜
サラちゃんによろしく言っといて」
「すみません。有希子さんの家なのに」
「いいのよ!
…あら?ダイニングに食事の用意がしてあるわね。
これは…オムライス…?みたいな」
「え…」
俺はサラを抱き上げたまま、有希子さんのいるダイニングに向かった。
テーブルの上には3人分のオムライス、スープ、サラダがラップをして置いてある。