• テキストサイズ

【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第69章 守りたい人 ☆




同じ頃


ベルモットは自身が宿泊するホテルのバスルームにいた。


シャワーを浴び、キュッと蛇口を捻り、バスタオルを身体に巻いてバスルームを出ると、昼間の失敗を思い出す。


「あれは…ジェーンの男?」


ジェーンを庇って私の狙撃を受けたあの男は、一体何者なの…
何故私が、彼女を狙うことが分かったの…?


その疑問をずっと頭で考えていると、ホテルの部屋のドアベルが鳴った。


ピンポーーン


「誰?」

「俺だ」


ジンの声だと分かったベルモットは、ホテルの部屋のドアを開け、ジンを部屋に招き入れる。


「あら。何か用?
今日は仕事じゃ無くて?私が断った…」


「ベルモット。
お前のスマホを遠隔で調べさせてもらった。
今日、杯戸町の大型スーパーにいたな。
そこで、あの方の許可もなく単独で行動したのち発砲。」

「…何の話?」

「とぼけるな。
…事と次第によっては、お前を殺す」


そう言いながら、ジンはかちゃ…とベレッタをベルモットに向けた。


「…言うわよ。言うから、銃を下ろして」


両手を上げながらも余裕の笑みを浮かべてそう言うベルモットを見たジンは、かちゃり。と音を立てて銃を下ろした。


「…ジェーンが生きてたの」


ジェーン。
ジンにとって特別なその名前に、ピクリと眉が動く。


「死んだはずの人間が生きてる。
それも、あなたが殺したはずのね。
だから、あの方には黙って始末してあげようと思ったのよ。
あなたにとっても、悪い話じゃないでしょう?」

「…この件は俺が引き取る」


ジンが静かに言ったその言葉に、ベルモットは納得ができない。と言う風に眉を吊り上げた。


「待ってよ!私が掴んだのよ?!」

「…ジェーンは俺の獲物だ。勝手に殺してもらっちゃ困るんだよ」


そう言ってジンに睨まれると、ベルモットですら反論は出来ない。

ジンはホテルの部屋から東京の夜景を見下ろしてぽつりと呟いた。


「やはり、生きていたのか。ジェーン」





/ 1733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp