【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第69章 守りたい人 ☆
時間がこんなに長く感じるのは、赤井さんに別れを告げられた時以来だ。
処置室の前、わたしは血で汚れた自分のパーカーをぎゅっと握り締めながら、ガタガタと震える身体を抱きしめた。
救急車の中で、ようやく落ち着いてきた頭で考えたこと。
さっきのは間違いなく狙撃だ…
一体誰が…
赤井さんはここ最近、いつもわたしのそばにいた。
ずっと…まるで警護しているみたいに…
ターゲットは赤井さんじゃなくて、わたし…?
だからさっきもわたしがスーパーにいることを知っていた?
赤井さんは、わたしが狙われているって知ってたから張り込んでたの?
「サラさん!!」
頭の中をフル回転させて考えを巡らせているときに名前を呼ばれ、ハッとそちらを見ると、キャメルさんとジョディさんがこちらへ走ってきていた。
「秀は?!」
「今…処置室に…」
「ジェイムズが救急隊員から聞いた話によると、弾は腕をかすめただけだから、命に別状はないって言ってたけど…」
ジョディさんが心配そうに処置室の方へ目をやった瞬間、自動ドアが開いた。
そして中から出てきたのは1人の女医。
「救命医の萩原です。
幸い、弾丸は右腕を掠めただけ。
処置は完了しましたので問題ありません。
腕を動かすための筋肉や、筋にも損傷は見られませんでした。
ただ、出血量が多かったので念のため、2.3日入院して様子を見ます。
…このまま、病室へ運びます」
そして、赤井さんを乗せたストレッチャーがガラガラと運ばれてきた。
処置の麻酔のため、赤井さんの意識はない。
「良かった…ひとまずは、大丈夫そうね」
ホッとするジョディさんの隣で、わたしは顔を青くしながら呟いた。
「…わたしのせいです」
「え…」
「狙撃したのは、きっとあの組織の人間。
…わたしを狙っていたんです…絶対…」