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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第69章 守りたい人 ☆




するとその瞬間、わたしの肩を沖矢さんが掴んだ。


「赤井さ…」

「呼ばなくていい」


もう、彼の偽名を呼ぶ余裕なんて無くて、わたしは涙をボロボロと零ながら彼を見た。


生きてる…

生きてる…


彼が動いたこと、話したことに心から安堵して、涙が止まらなくなった。


「救急車、呼ぶな。」

「でも!」

「今、俺は沖矢昴だ。
…ジェイムズに連絡を頼む。
ジェイムズ経由で呼んでもらう…」


そう言ってわたしに、握りしめていたスマホを手渡した。

すぐにそれを受け取り、震える手でジェイムズさんの電話番号を見つけると、震える両手で電話を持ちながらジェイムズさんが出るのを待った。



「お願い…早く出て…」


1コールが響く間がいつもより随分と長く感じられた。

はやく…はやく…
そう念を飛ばしていると、奇跡的に4コール目で受話器が上がった音がした。


「もしもし?赤井くんかね?」

「っ!あの、赤井さんが銃で撃たれてっ…
血が…たくさん出てて!」

「落ち着きたまえ。場所はどこだね?」

「杯戸町の…」


そこのスーパーの名前と場所を伝えると、ジェイムズさんはすぐに対応すると言って電話を切った。

ひとまずジェイムズさんに連絡が取れたことに安心したわたしは、わたしの膝の上で顔をしかめながら腕を抑える沖矢さんの頬を撫でた。



「っ…赤井さん…っ…どうして…」


着ていたパーカーを脱いで弾を貫いた赤井さんの腕を圧迫し止血を試みるけれど、そんな心もとない処置が追いつくはずもなく。
パーカーが見る見るうちに血に染まっていくのを見て、わたしの手もカタカタと震え出す。


そんなわたしに、赤井さんは微笑みながら言う。


「そんな顔をするな。
命に別状はない。かすり傷だ」

「だって、こんなに血が…」

「大丈夫だ。お前は、怪我はないか?」

「っ…平気」

「良かった…」


良かったなんて…全然良くないよ。
赤井さんがこのまま、最悪の事態になったら…
もし右腕に後遺症が残ったら…

そう考えると、次から次へと涙が溢れて止まらない。

赤井さんが苦しんでいるときに、わたしはただ泣くしか出来なかった。


そうしているうちに救急車が到着し、わたしたちの身体は米花中央病院の救命センターに運ばれた。





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