【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第69章 守りたい人 ☆
今、一体何が起こったのか、わからなかった。
沖矢さんに名前を呼ばれた瞬間、突然彼に抱きしめられた。
どうしてここに沖矢さんがいるの?
どうしてわたしがここにいるって知ってるの?!
どうして突然怖い顔しながら走って来てわたしを抱きしめたの?
疑問符だらけが頭の中を飛び交って、一つの答えもわからないままだ。
それなのに、同時にわたしの目の前に血飛沫が舞い更にパニックに陥る。
なに?!どうなってるの?!
状況を理解できないまま、わたしたちは同時に地面に倒れ込んだ。
「いた…」
倒れる時に強く打った脚を押さえながらゆっくりと身体を起こすと、まず視界に飛び込んできたのは地面を染める大量の血溜まり。
そして、視線を移すと目の前には右腕から血を流している沖矢さんが見えた。
「う…そ…
お、沖矢さ…」
一体何が起こったのかまだ理解できていない。
理解できているのは、沖矢さんが大怪我を負って倒れているということだけだ。
放心状態で彼の名前を呼びながら、わたしは彼の身体を揺さぶって起こそうと、身体に触れた。
すると、わたしの掌にべとりと血がついている。
ドクンッ
心臓が大きく鼓動して、息が上がる。
何度も経験した、過呼吸
「っ…は…」
ヒューヒューと細くなる息をしながら、わたしは周りの人に必死に訴えた。
「っ…あ、の、…だれかっ…救急車…ッ」