【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第68章 忍び寄る黒い美女 ☆
今日も沖矢さんに送り届けてもらい、ポアロに到着した。
「じゃあ、帰りにまた迎えにきますから」
「うん。行ってきます」
そう言って手を振って、わたしがポアロの中に入るまでスバルはそこに止まったまま。
一瞬たりとも、目を離せない。
そんな感じだ。
わたしがちゃんと中に入ったことを確認した後、スバルは走り去って行った。
今日は安室さんと同じシフトの日。
中に入ると、もう安室さんがコーヒーマシンの準備を始めていた。
「早いね。まだ30分前なのに…」
「えぇ。今日は早起きしたので」
「…安室さん。
あの、何かあった?…その、組織関係で」
そう聞くと、安室さんはピクリとコーヒーマシンをセットする手を反応させ、すぐにこちらを見て笑顔で言う。
「いいえ?」
安室さんも、きっと何か隠してる。
一体、何が起きてるの…
不審に思いながらも何の見当もつかずにポアロのアルバイトがスタートして数時間後
ポアロのマスターが、ちょうど裏でストックの在庫チェックをしていたわたしを呼び止めた。
「サラちゃん、ちょっと買い出しに行ってくれないかな?」
「はーい!もちろんです」
「ありがとう!実は、買い出しは僕がやりますから。って安室くんに言われてるんだけど、今日これから町内の安室ファンクラブのおばさま方が来店されることになってて…
彼がいないと怒り出しそうだから」
「あはは…相変わらずモテモテですね、彼は」
苦笑いをしながら店長から財布を受け取り、安室さんが接客をしている間にわたしは行きつけの大型スーパーへと買い物にでかけた。
そこでこれから何が起こるか、知る由もなく。
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