第68章 忍び寄る黒い美女　☆

同じ頃

ベルモットはジェーンの捜索のため、人が集まりそうな場所を徹底的にマークしていた。

その中で、彼女が目をつけた場所は輸入品を取り扱っている大型スーパーだ。


「彼女を見かけたデパートと、この大型スーパーは目と鼻の先。
ここが生活圏内なら、必ずここに来るわ…」


そう言いながら、出入り口を双眼鏡でじっと見張っている時、ベルモットのスマホが鳴った。



「もしもし？ジン？何か用かしら？」

「ベルモット。今どこだ」

「今？杯戸町の近くの大型スーパーだけど？」

「仕事だ。すぐに組織の密会場所に来い」


ジンからそう言われ、ベルモットはしぶしぶジェーンの捜索を中断しようとしたその瞬間


ベルモットの双眼鏡の向こうに、探していた女の顔が見えた。


「ジン。悪いけど、私はパス。
代わりのメンバーを探して？じゃ」

「おい。ベルモッ」


プツッと電話を切り、ジェーンの動向を瞬きひとつせずに観察した。


スーパーのカゴを手に取り、まるでただの女のようにスーパーで買い物をする彼女。



ベルモットは双眼鏡を目元から外すと、銃にサイレンサーをつけながらニコリと不敵に笑った。


「みーつけた。
ジェーンちゃん？」



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