【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第9章 本能☆
赤井side
家を出ると、有希子さんが笑いながら膝で俺の肩をつついた。
「妬けるわね。
あの子のことが好きでたまらなーいってカンジ」
「まぁ、彼女ですから。」
「あら!やっぱり大人ねー。
新ちゃんだったら、バーロー!んなんじゃねぇよ!って顔を赤くしながら言うのに!」
「私も、素直にものを言うようになったのは最近ですよ。」
以前は、自分の考えや気持ちを言語化して伝えるのは億劫だったが、サラに伝えたいことがたくさんある。
そんな風に言う俺を見て、有希子さんはまた笑って言った。
「ベタ惚れじゃない。
いいのー?家に置いてきちゃって」
「可能な限り、危険な目を合わせたくないんでね。」
「まあそうね…今日は哀ちゃんを守ることが最優先だものね。
秀ちゃんも新ちゃんも、守らないといけない女の子何人いるのー?ってカンジよ。全く」
「新ちゃん?」
「あっ!こっちの話!
さ、乗り遅れないように急ぎましょ!」
そう言って有希子さんは俺の腕を引っ張った。
そう言えば、ボウヤがこの間メールしてきたな。
「灰原のことを、サラさんに話しちゃった。
ややこしいことになったらごめんね!」
そうか。サラはあの子が宮野明美の妹と知っているのか。
なら尚更、家に置いてきて正解だ。
俺が彼女を守ろうと必死になればなるほど、きっとまた、サラを不安にさせることになる。
自分の判断は間違えていないことを再確認して、俺は有希子さんと一緒にミステリートレインに乗り込んだ。