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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第68章 忍び寄る黒い美女 ☆




ある日の休日、今日は沖矢さんと一緒にデパートに買い物に来た。

ジョディさんの誕生日がもうすぐだから、FBIのみんなからのプレゼントを赤井さんが代表して選ぶことになっているそうで。

文字通り、元カノへ贈る誕生日プレゼントの買い物に付き合わされている現彼女のわたし。

買うものは決まっていたようで、ジョディさんの好きなシェリー酒とバカラのワイングラス。

まずはワイングラスを選んだところだ。


「いいね。これ、おしゃれ!」

「ええ。支払いを済ませてくるので外で待っていてください」

「はあい」


沖矢さんがレジに向かい、わたしはお店の外に出た。
そして隣の店舗のショーウィンドウに目が釘付けになる。


「わ…綺麗…」


そこに飾ってあったのは純白のウエディングドレス。
Aラインの形のドレスに、胸元にはビジューが散りばめられてキラキラと光っていて、チュール部分はレースの刺繍が繊細で物凄く綺麗。


いつかわたしも、こんなドレスを着て赤井さんの隣に立ちたいな…


って、何期待してるのわたし!
一緒にいられるだけで幸せなのに欲張らない!

思わず妄想を広げてしまいそうになった自分を心の中で叱りつけ、またそのドレスを見上げた。


まさか、自分がウェディングドレスに憧れるなんて、思っても見なかった。

わたしにはブラックのボディースーツがよく似合うと思ってたから。
闇に紛れ、黒い影となって暗躍するための正装。

純白の輝くウェディングドレスを見つめながら、自分の変化を実感する。


すると、ちょうどその時沖矢さんが会計を終えて店の外に出て来た。


「お待たせ。」

「うん!わー!バカラだ!
これでお酒飲むと味変わるって言うよね」

「えぇ。私がよく使っているウイスキーグラスもここのものです」

「え!あれそうなの?!
道理で一口もらう時、口当たりが良くてなんか美味しく感じると思った!」


そんな取り止めのない会話をして、さっきドレスに見惚れていたことは上手く誤魔化した。

赤井さんにとって重荷になりたくないし、わたしはこのままずっと隣にいられたらいい。

肩書きもドレスも無くていい。
ただ、そばにいられるだけで良い。






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