【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第68章 忍び寄る黒い美女 ☆
とある日の夜 米花町をポルシェ356Aを走らせている男がいた。
「しかし、FBIの一件は不可解なことが多かったですねえ」
助手席に座るウォッカのそんな言葉を聞いて、ジンは片手でハンドルを握ると咥えていたタバコの灰を灰皿に落とした。
「フン…目障りなネズミ共だ…
赤井秀一がいなくなったFBIはただの無能の集まりかと思っていたが…」
そう言いながら車を走らせ、レインボーブリッジの上に差し掛かった時、ウォッカが電飾に照らされた橋のケーブルを眺めながらぽつりとこぼした。
「そう言えば、ジェーンを殺った場所によく似てますねえ。この橋」
「ジェーンか…」
ジンの脳裏に浮かんだのは、あの日落ちていくジェーンの顔と瞳。
そして、彼女と肌を重ねたときの捨て犬のような表情。
そんなとき、後部座席に乗っていたベルモットが苛立ったように口を挟んだ。
「ウォッカ。ジンにあの女の話は禁句よ?」
「え…?」
「どう言う意味だ。ベルモット」
その一言に戸惑うウォッカに、苛立つジン。
ベルモットは挑発するかのように続けて言った。
「あら?ジェーンのことになるといつも鋭いジンが突然ボーッとするでしょ?」
「…余計なお世話だ。
どの道、もう2度と会うことはないだろうからな。」
そう吐き捨ててタバコを燻らすジンを見ながら、ベルモットは心の中で思っていた。
Year.
But.If I'll find her,I 'll defeat her nesserally...
そうね…
もしもこの目であの女の姿を捕らえることがあれば、この私が地獄に送ってあげるわ…
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