【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第67章 ずっと ☆
ポアロのバイトを終え、雨が強くならないうちに急いで帰宅したわたしは、玄関を開けてすぐに室内がシンとしていることに気づいた。
まだ、赤井さんは帰ってきていないみたいだ。
スーパーにのんびり寄っている時間が無かったせいで、今日の夕食は駅前でテイクアウトしてきたデリ。
今日が雷雨だってわかってたら、昨日のうちに準備しておいたのにな…と、疲れて帰ってくる赤井さんに手料理を振る舞えないのが申し訳なく思えてくる。
外を見ると、だんだんと分厚い雲が空を覆っている様子が伺えた。
きっともうすぐ大雨と雷だ…
雷…と想像すると、自然と自分の身体が強張る。
赤井さんのおかげで、前みたいに過呼吸になることは少なくなった。
けれど1人でいるとやっぱりあの幼い頃の記憶が蘇ってきて胸が苦しくなる。
はやく、帰ってこないかな…
こんなのまるで、自分のトラウマと恐怖を和らげるために赤井さんを利用してるみたいだ。
わかってるけど、この深く根付いたトラウマはそう簡単に消えるものじゃなく、無意識に部屋の隅で膝を抱えて今にも鳴り出しそうな雷にビクビクと怯えていた。
あの幼い頃見た悪夢のような現実に、わたしはいつまで苦しめられるんだろう。
あの組織を殲滅したら全て終わりに出来るんだろうか…
そう思いながらだんだん上がってくる息のせいで呼吸が苦しい。
頑張って吸おうとすればするほど、気管が狭くなっていくあの感覚…
「っ…」
苦しい…と、胸を押さえて目に涙が滲んだその時