【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第65章 恋人はアンドレキャメル!?
これ以上、取り繕うのは無理そうだと諦めたわたしは、その事実を認めた。
「…いつから気づいてらしたんですか?」
「最初からよ。
これでも母親だから、あの子が嘘つく時のくせぐらいわかるのよ
だけど、私に心配させまいとついた嘘。
付き合ってあげようと思ったものの、頬にキスまでさせて、悪かったわ」
「いえ…そんな…
こっちこそ、騙すような真似してすみません…」
母親の観察眼は、すさまじい。
FBI捜査官よりも鋭いのかも知れない。
「あの子とは、本当はどんな関係なの?」
「…わたしの恋人が、キャメルさんの上司というか…先輩で…
キャメルさんにいつもお世話になってるのは本当なんです」
「そう。全くあの子は、色んな人を巻き込んで…」
「でも、お母様がおっしゃったように、お母様を想ってついた嘘です。
許してあげてください」
「そうね。
だけど少し残念でもあるわ。
あなたのこと、本当の恋人ならいいのになーって思ってたから」
「え…」
そんなやり取りをしていたとき、何にも知らないキャメルさんがお手洗いから戻ってきた。
「お待たせしました!
何の話をしていたんですか?」
「え、えっと」
たった今、嘘はバレバレだったとカミングアウトされました!
とは言えず、あたふたしているとお母様がにこりと笑いながらそれに応えた。
「いつお嫁に来てくれるのかしら?ってはなし。
だけど、当分はあなたの仕事が忙しいみたいだから、気長に待つわ?
…そろそろ、帰りの飛行機の時間もあるしお暇しようかしら」
「なら、空港まで送るよ、母さん」
「いいわよ!あなたは仕事があるでしょ?
頑張って、自分の責務を全うしなさい。
それで落ち着いたら一度、ドイツに顔見せに帰ってくること。いいわね?」
そう言うと、キャメルさんのお母様はタクシーを捕まえ、キャメルさんにまたねのキスをした後空港へと向かった。