【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第65章 恋人はアンドレキャメル!?
沖矢さんはその場で顔を両手で覆いながら、はぁあ…とため息を吐いて悶えている。
「…とにかく、これ以上キャメルにベタベタするのは禁止で」
「ハイ…」
「帰ったら、嫉妬した分100倍にして返すから覚悟しておいてくれ。」
「…はい」
と、叱られたのかご褒美予告なのか、よくわからない宣言をされたわたしは、沖矢さんとのキスの余韻が抜けないまま、ふわふわした気分であの席へと戻った。
「あ、サラさん、戻ってきた。
なら、私もちょっと失礼して…」
わたしが戻ってくるや否や、キャメルさんもお手洗いを我慢していたのか、即座に席を立ってお手洗いの方へ向かった。
ま、待ってキャメルさん!
流石にお母様と2人はきつい!!
そう思ったときにはもうキャメルさんはお手洗いの角を曲がってしまったところ。
仕方ない…無難な話をしよう。
天気の話とか…ドイツの話とか…
「あのっ…」
「サラさん。」
「はい!」
「あなた、キャメルの恋人じゃ無いでしょう?」
「はい!……え、えええっ!えっと…」
突然のぶっ込みに、思わず元気よく返事をしたわたしは慌ててその場をどうにか取り繕うとする。
「ま、待ってください!
今のは、その…」
「…いいのよ。あの子に頼まれて仕方なく協力してくれたんでしょ?
ありがとう。」
キャメルさんのお母様はそう言いながら微笑み、紅茶を啜った。