第65章 恋人はアンドレキャメル！？

これじゃ埒があかないな…

そう思ったわたしは、キャメルさんに了承の返事を返す。


「…いいよ。わかった」

「サラ！？」

「サラさん…！！」


赤井さんはわたしを「何言ってるんだお前！」と言う目で見ながら名前を呼び、
キャメルさんはわたしを「女神様！！」と崇めるような目で見ながら名前を呼んだ。

どこまでも対照的なふたりだ。


「キャメルさんの彼女のフリをして、隣にいればいいのね？」

「おい。ちょっと待て。俺は許可するつもりは…」

「だって、こんなに困ってるんだよ？
わたしはキャメルさんにはお世話になってるし、協力してあげたいじゃない」

「サラさん…なんてお優しい…
さすが、赤井さんが選んだ女性です…！」


わたしの言葉に涙を拭いながら感動するキャメルさん。
さすがの赤井さんも、この2人の結託には敵わないらしい。

納得がいかない…
と言う風に眉を顰めながらも、仕方なく了承とも取れる言葉を漏らした。


「…そんなこと言われてなお反対したら、俺が悪者みたいになるじゃないか…」

「あかいしゃ…」

「ただし！俺は近くから見張るからな。
サラに指一本でも触れたら、命はないと思え」

「は…はひ…」


恋人のふりするのに、指一本触れるなは無理なんじゃ…と、突っ込もうと思ったけれどヤキモチ妬く赤井さんが可愛すぎて思わず泳がせてしまうわたし。


結局、当日早くに合流してキャメルさんとの馴れ初めの設定やお互いについての予習をすることになり、今日のところはお家へと帰ってもらった。