【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第64章 満月の夜なら ☆
ボウヤとのタッグもあり、秀吉は無事に救出成功した。
目立った外傷もなく本人はピンピンしていたことにひとまず安心し、発砲した事後処理やキャメルに頼んだ後片付けの始末を諸々やっていると、気付けばもう夜も深くなっていた。
この間のWSGの事件から夜帰るのが遅くなることが多く、あの横浜のホテルで未遂に終わって以来、気付けばしばらくサラを抱いていない気がする。
それどころか、落ち着いて2人でゆっくり飯を食べることもままならなかった。
今日こそは、サラと甘い時間を過ごそうと思っていたのに。
甘い時間を過ごすどころか、サラが楽しみにしていたティータイムも途中でドタキャン。
「はぁ…」
「?赤井さんがため息とは珍しいですね」
思わずため息を吐いた俺を見て、キャメルが目を丸くした。
工藤邸に戻って来た俺は、FBI本部に送る捜査資料の作成を手伝わせているところだ。
もちろん、俺が出て行った後に有希子さん達とティータイムを楽しんだサラはもうとっくに家に帰ったらしい。
時計の針はもうすぐ日付が変わろうとしている。
きっとサラはもうすでに寝ているだろうな…
俺が帰宅する頃には、深い深い夢の中だ。
一緒に住んでいるのに抱けないとは何の傲慢だ…
くそ…あの日、クリーニングなんて無視して最後までしておけばよかった…
欲求不満がどんどん溜まっていく気がして、俺はまた深いため息を吐いた。
「はぁあ…」
「赤井さん…お疲れですね…
もしよければこれを」
そう言ってキャメルが手渡してきたのは、あるドリンク瓶。
「何だ。気がきくな」
栄養ドリンクだと思い、それを受け取った俺はキャップを開けると一気に喉に流し込んだ。