【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第64章 満月の夜なら ☆
なんて淡い期待を抱いたのも束の間、赤井さんは部屋を出てすぐの廊下でわたしをぎゅっと腕の中に閉じ込めた。
不意に香るタバコの匂いが、わたしにとっては心が落ち着くアロマだ。
「赤井さん?」
「悪いな。今日は遅くなるかもしれない」
「そんな…仕方ないよ。
それより、秀吉さん無事だといいけど…」
「俺の弟だからな。大丈夫だ。」
そう言って髪を撫でた赤井さんは、わたしの頬に掌を寄せた。
「…?赤井さ…」
名前を全部呼び終わる前に、赤井さんの唇がわたしの口を塞いだ。
工藤邸でキスをするのは、随分と久しぶりだ。
出会った頃が一瞬でフラッシュバックして胸がぎゅっとなった。