【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第63章 緋色の不在証明 -後編-
そんな風に思いながら、赤井さんをじっと見つめていると、赤井さんはわたしの視線に気付いて言った。
「…嫌か」
「え?」
「任務と言えど、人を平気で射殺するような人間は」
「…どうして?
平気なんかじゃないでしょ?」
そう言うと、赤井さんは目を丸くしてわたしを見た。
「赤井さんは、トリガーを引くその一瞬の間に、色んなことを考えてるでしょ?
葛藤して、色々考えて、考えて最終的に引き金を引く。
全然平気じゃないでしょ…?
嫌になるわけない。」
「サラ…」
赤井さんは、少しだけ安心したような顔をして笑った。
「そう言ってくれて、嬉しい。
危うく、後ろに弟が乗っていることを忘れて、キスするところだった。」
「…寝てるから、バレないよ」
「…そうだな」
赤井さんは、赤信号で車を停止させると、わたしの肩に手を回して髪を撫でながら唇を奪った。
「んっ…」
キスする赤井さんの唇は優しくて、思わず胸がキュンと熱くなる。
ゆっくりと離すと、赤井さんはわたしの耳元で囁いた。
「好きだ」
あぁ。
今日は、手羽先もひつまぶしもいらなかったみたい。
ただこうして、赤井さんとドライブしてキスして、好きだと言ってもらえた。
それだけで十分だと思えるんだから、単純な女だな…わたし。
そうやって幸せで胸がいっぱいになりながら、東京までの赤井さんとのドライブを堪能して、窓の外の光の数を数えていた。
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