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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第63章 緋色の不在証明 -後編-




なんか……頭が爆発しそうなほど、難しい推理合戦が車内で繰り広げられている。

わたしは後部座席で赤井さん達のやり取りを聞いているけど、ほとんど置いてけぼり。

どちらかと言うと、力で制圧するタイプの諜報員だったわたしにとって、将棋やチェスなんて苦手中の苦手だ。

赤井さんはというと、実の弟とこんなふうに協力して事件の捜査が出来るのが嬉しいんだろう。
いつもよりも生き生きとしているように見えた。



「いや、ナビはこちらがやる。
その辺の地図は全て記憶した。
そうだな?」

「ああ。見えたよ。
勝ち筋が」


そう言葉を送り合った赤井兄弟。
ここから、秀吉さんの将棋に見立てた犯人追い詰め作戦が始まった。


「まず攻め方を二手に分けて」

「ジョディとキャメル、二手に別れろ」

「一はそのまま」

「キャメルはそのまま追え」

「二はそのまま待機」

「ジョディはそのまま待機だ」


秀吉さんの指示を、赤井さんがスマホの向こうのジョディさん達に伝える。


「変則型の詰将棋。
これなら5手で詰める。」


秀吉さんは将棋を楽しむかのように、スラスラと指示を出しているが、わたしの頭には聞きなれない単語が飛び交い、既にパンク状態。

ついでに隣で由美さんがあまりにも気持ちよさそうに寝るもんだから、つられて眠くなって来た。


そう言えば、今日朝早かったしな。
手羽先…食べたかったなぁ…


と、まるで退屈な授業で眠ってしまう学生時代のように、だんだんと赤井さんと秀吉さんの緊迫した会話がぼやけて来て、気付いたら由美さんと頭をコツンと合わせながら眠りに落ちていた。





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