【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第63章 緋色の不在証明 -後編-
そう推理をした俺に、隣に座る秀吉は自身ありげに笑った。
まるで、対局中の棋士の顔をしながら。
「何のために?」
「ん?」
「僕は、あまり複雑に考えない方がいいと思ってる。
例えば港北ICの先には産業道路が東西に伸びているけど、それを西に進めば鶴見川にかかる鴨池大橋に行き当たる。
今の時間、橋の上からリニアを見ることができるんじゃないかな」
「まさか!」
この会話はスピーカーで話すジョディにも聞こえていたようで、すぐに全員の思考が一致した。
「犯人は、リニア追ってるってこと?」
「ジョディ!!」
「わかったわ。秀。
キャメル!」
「任せてください!」
犯人の車を追い詰める手段は、俺の隣に座る実の弟が鍵を握っていたのだった。
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