【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第63章 緋色の不在証明 -後編-
赤井side
泥酔した弟の恋人をサラと一緒に後部座席に乗せ、秀吉を助手席に乗せた状態でまた運転を再開した。
バックミラーに映るのは、がぁぁ…といびきを掻きながら爆睡する弟の恋人。
そして、その様子を心配そうに見つめる俺の恋人。
サラの寝ている時とえらい違いだ…と、心の中で思いながらもふと本音が漏れた。
「以前会った時とは、まるで別人だな」
「そう言えば兄さんに、由美タンの警護を頼んだことあったっけ。
ディズニーシーも一緒に行ったしね」
「あったな」
そう言えば。母さんに恋人を紹介したいと言っていたが…あの話は進んでいるのだろうか。
真純とおそらく母も名古屋にいた。
もしや名古屋で母とコンタクトを取ろうとしていたんじゃないか?秀吉…
そんなことを考えていると、俺のスマホのバイブが鳴った。
ヴーヴー
「どうした、ボウヤ」
「犯人が逃げた!」
「なんだって…
わかった。こちらでも追跡を開始する」
「うん。この後は先生を助けてあげて」
ピッ
ボウヤとの通信を切った俺は、ジョディ、キャメルの乗る車との通信に切り替えた。
「ジョディ」
「ええ。聞いたわ。
今こっちでも追跡中よ」
そう言ったジョディは、すでにボウヤと連絡を取っていたようだ。
「港北IC付近?」
「新港浜から港北ICに向かったとなると、第三京浜で東京に行くつもりでしょうかね」
キャメルとジョディが犯人の行き先について推理しているところに俺も混ざった。
「あるいはそう見せかけて下り線から臨海部に向かったか」