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【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第63章 緋色の不在証明 -後編-




しばらく車を走らせ、また名古屋の街中へと入ってきたわたしたち。
だけどわたしの手羽先ショックは、未だ尾を引いていた。


「あぁ…結局手羽先はお預けか」

「…そう…なるな。すまない」


思えば今日の朝、手羽先を食べに行くぞと叩き起こされたのにも関わらず、特に名古屋観光らしいこともしておらず…
何なら、ほとんど車の中から出ていないまま東京に帰ることになっている。

さすがの赤井さんも、ここまで振り回したことに少なからず後ろめたさを感じているようだ。


「いいけど…赤井さん、またスピード出し過ぎてない?捕まっても知らないよ?」

「捜査上仕方のないことだ。
万が一捕まったら、キャメルに処理させる」

「わ!またそんなこと言って!
キャメルさんの苦労は計り知れないよ」


破天荒な上司の後始末をするキャメルさんについ同情していると、それが面白くなかったのか、赤井さんはわたしをジロ…と睨みながら口を尖らせた。


「…もういいから、それ以上騒ぐと口を塞ぐぞ」

「そんなこと、赤井さんは絶対しないもん」


赤井さんがそんな手荒なこと、するはずないとたかを括っていると、彼は彼でカチンと来たのか、わたしの方をセクシーな流し目で見ながら妖美に笑った。


「ホォー?試してみるか?
俺がどうやってお前の口を塞ぐか」


まるで、キスで塞いでやる。と言わんばかりのその表情に、わたしは思わず顔を真っ赤にした。


「っ…ず、ずるいよ!そんなセクシーな顔して!」

「ずるい?どこがだ?」


ずるいよ…だって、運転中だから、キスで塞いでほしくてもできないもの。
なのに、キスするなんて言ってその気にさせてずるい。


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